先日、本当に久しぶりに家電量販店のカメラ売り場に行ってきました。(ヨドバシカメラとビックカメラ)そこでしばらく現行のカメラに少し触れてきました。昨今のスマホのカメラ機能の進化もあり、デジタル一眼の売れ行きは鈍る一方で、それに新型コロナウィルスの影響がその傾向にますます拍車をかけているようです。
それでも相変わらず、売り場には多くのメーカー、キャノン、ニコン、ソニー、富士フィルム、オリンパス、パナソニック、ペンタックス、シグマなど、展示品を見る限り、その数の多さに私などは目が眩んでしまいます。一応、端から目に付いたものは手に取って見ていきました。
もともと購入予定も無く、漠然と眺めていましたが、そのうち疲れてきましたので、カタログを手当たり次第に持って帰ることにしました。店員さんも「何かお探しですか?」と声を掛けてきて少し煩わしく感じたので、今回は帰ることにしました。次回来るときには、機種を絞ってじっくり手に取って店員さんにも質問してみようかと思います。
最近は、どのカメラも特設サイトなどウェブカタログが主流です。実際にパソコン上で撮影された画像を拡大出来るので便利ですが、私のような「紙媒体世代」にとっては、まずは紙のカタログをペラペラとめくるのが楽しみでもあります。
十数冊のカタログを持って帰り、目を通し始めた頃に「オリンパス、映像部門事業を売却」というニュースを知りました。カメラ・映像事業を分社化して株式を国内投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)に譲渡するというものです。私も現在、中古品ですが、OM-D E-M1とTG-6を所有していまして、低価格帯では結構人気があるとされるOM-D 10 MarkⅢについて記事を書こうかなと思っていたところなので、ちょと驚きました。カメラ事業を取り巻く環境は厳しいものがあり、事業譲渡や業界再編の動きはいずれはあるだろうとは思っていましたが・・・。このニュースに関しては、様々な専門家の方がネット上でもコメントや記事にされていますので、詳細はそちらに譲りたいと思います。
ここでは、あくまでも一末端ユーザーの私的感想を書いてみたいと思います。

私のような銀塩フィルム世代としては、「オリンパス」と聞いて連想するのはまずは「ペン」と「OM」シリーズです。ハーフサイズの「ペン」は実際に使用したことはありませんが、当時爆発的にヒットした商品で、今日のオリンパスの礎を築いたカメラの一つだと思います。様々な機種が長年に渡って製造・販売され、今でも欲しいカメラの一つです。
また、「OM」シリーズは、当時の一眼レフの中では独自の路線を進んだモデルで、OM-1は当時PENTAX MXと世界最小一眼レフの座を争っていました。(後発ののMXの方が5㎜ほど小さい)どちらも優劣つけがたい「美しい」カメラで、私も機会があれば購入したい機種です。NikonのFMシリーズの開発などにも「OM」シリーズの小型化のコンセプトは影響を与えたようです。
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また、後年私がPENTAX LXを購入する際に、もう一つの選択肢として悩んだのがOM-4でした。カタログを見て迷ったものです。外装がチタンバージョンのOM-4Tiなども魅力的でした。
その後、時代はデジタルへ移行して、オリンパスはコダックと共に「フォーサーズ」規格を立ち上げてプロユースの防滴防構造を持ったE-1を発売しました。PENTAX645にも似た直線的なフォルムが特徴のカメラで、「フォーサーズシステム」はイメージセンサーの中心部から周辺部まで垂直に近い光が届くようになっているのが最大の特徴で、これにより望遠から超広角に至るまで、画面の中心部から周辺部まで安定した画質を得ることに成功しているのが売りでした。当時のカタログには有名な動物写真家の作品やコメントなどが載っており、いつの日か私もこんなカメラが持てるようになりたいと思ったものです。
「フォーサーズシステム」はパナソニックと共同で「マイクロフォーサーズシステム」へと拡張され今日に至っています。これは「フォーサーズシステム」をミラーレス構造に最適化したもので、よりカメラ・レンズの小型化が可能になりました。この企画に賛同する企業も動画系も含め増えているようです。
OM-Dを使っていて、私にとって一番有り難いのはそのコンパクト性です。カメラはやはり気軽に持ち出せるのが一番です。これからレンズも少しづつ増やしていこうかと思っていたところに「売却」のニュースを聞き、驚きました。
譲渡先の「日本産業パートナーズ」はこれまでに「VAIO」や「ビッグローブ」「青汁のキューサイ」など幅広く企業のカーブアウトを手掛けていて、以前には当のオリンパスから携帯電話販売会社を買収もしているようです。私たちユーザーは今後の動向が気になりますが、とりあえずアフターサービスや「OM-D」や「PEN」のブランドは引き継がれるようですし、出来るだけ良い方向に進んで欲しいと思っています。SONYに移って勢いを増した「α」ブランドのようになればいいのですが、いずれにせよ新会社の取り組み方次第なのかなと思います。
企業としては、やはり「利益」を上げなければならないので難しいこととは思いますが、ユーザーを無視した極端なラインナップの変更や縮小は、出来るだけ避けて欲しいなと思います。あとはオリンパスの独自性を維持する為にも、プロユースのフラッグシップ機は残して欲しいです。日本産業パートナーズは、どちらかと言うと企業価値を高めた上での売却を志向するファンドのようで、数年後また業界再編があるかも知れませんね。
特殊なレンズや、もともと生産量の少ないレンズはこれから希少価値が高まり「ズイコーレンズ」は手に入りにくくなるかも知れません。今のうちに買っておきたいのですが、先立つものがありません・・・。
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参考:オリンパスグループ企業情報サイトhttps://www.olympus.co.jp/
:日本産業パートナーズ株式会社https://jipinc.com/
:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%B9
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