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まさか自分が網膜剝離になろうとは・・・その1≪入院まで≫


髪の毛みたいなものが目の前で動いて煩わしい。
年を取ると眉毛が伸びる、あれかなかと思っていました。
早めに眼科に行っていれば、レーザー治療だけで済んでいたかも・・・。

それは「飛蚊症」から始まった

60歳を過ぎ、私もご多分に漏れず目の不調を感じるようになってきました。ピント合わせが遅くなり、手元の字が見づらくなってきました。これまではずっと裸眼で過ごしてきましたが、ここ数年の健康診断でも視力の低下が顕著になってきました。機会を見つけて眼科を受診しようとは思っていたのですが、様々な都合にコロナ禍が重なりずっと先送りになってしまっていました。

昨年11月に入り、勤め先が繁忙期に入りました。この頃からどうも左目の見え方の変化を自覚するようになりました。両目で見ているとそれ程でもないのですが、右目を手で覆って左目だけで見るとボケとかすみが以前より強くなりました。目の使い過ぎかと思い、市販の目薬を合間合間に差すようにしました。それで一時良くなる感じはするのですが、物の見え方は相変わらずでした。ちょうど雨が流れている車のフロントガラスの内側から、ワイパーを掛けずに外を見ている感じでしょうか。

それに加えて気になったのは、視野に髪の毛のようなものが常にあって、それが目の動きに合わせて動く事です。最初は、「年を取ると眉毛が伸びる」あれかな?と思って鏡を見て確認しましたが、長い毛は見当たりませんでした。これは常に視野に入ってくるので、気にし出すと煩わしいものです。

通院前、左目だけで見た時のイメージ

そうこうする内に、左目の視界の右上に暗い雲のようなものが見えるようになり、それがだんだん広がってくるようになりました。仕事でも手元の作業に支障を感じるようになってきました。こうなると、さすがにこれは視野が欠け始めているのではないかと心配になり、11月の半ば、夜勤明けで疲れていましたが、近くの眼科を受診しました。

眼圧測定、視力検査の後、瞳孔を開く目薬を差して眼底写真を撮影しました。スタッフの方が左目の撮影に入った時、「ん?」と訝しげな声を出して、「糖尿病などの何か疾患をお持ちではないですか?」と問いかけてきました。他に疾患は無いと答えると彼女は席を立ち、医師の方に行って何やら話しています。以前、何かで糖尿病の症状の一つに「網膜剝離」があると聞いたことがあるので、これはひょっとしたらと思いました。

案の定、医師から「網膜剥離です。」と告げられました。しかも、だいぶ進行していてレーザー治療だけでは無理ということでした。「これから都内の方に行けますか?紹介状を書きますので、入院して手術を受けて下さい。早めに処置をしないと失明のリスクがあります。」との事。

医師の診断は「裂孔原生網膜剝離」でした。

元来、眼球は若年の頃はゼリー状の硝子体で満たされていますが、加齢と共に水分の占める割合が増え、内部が不安定になります。何らかの要因で網膜と硝子体の接点に負荷が掛かり、網膜に裂け目(裂孔)が出来ます。私の場合、左目の視界に髪の毛のようなものが見え出してきた(飛蚊症)時期が恐らく網膜に穴が開いた時だったのでしょう。その後裂け目から水分が網膜と強膜の間に入り込み網膜が剥がれてしまったようです。

右上の方から黒い影が広がってきているという事は、網膜剥離が進行しているという事です。網膜に映った画像は反転させて処理されるので、私の場合、実際の剥離箇所は左下という事になります。剥離はかなり進行しているようですが、幸い網膜で一番重要な箇所の「黄斑部」にはまだ達していないとの診断でした。いずれにせよ、現状では手術を受けるしか方法が無く、放っておけば「失明」のリスクは大きいとの説明でした。

さすがに夜勤明けでこれから都内に行って、再度大きな病院で検査を受ける体力はありませんでしたので、翌日の予約を取ってもらい帰宅する事にしました。

再検査そして入院、手術

翌日、朝一番に紹介された病院へ行き、前日と同様の検査を受けました。地元の眼科医と同様「裂孔原生網膜剝離」の診断でした。やはり早めの手術が必要という事で入院が決まりました。入院期間は術後の経過次第で一週間前後という事でした。

担当医から2種類の手術について説明がありました。一つは「網膜復位術」もう一つは「硝子体白内障同時手術」というものでした。

≪網膜復位術≫。網膜裂孔がある場所の強膜(きょうまく)を内側にへこませて、網膜裂孔と眼球壁との距離を近づけます。その状態で網膜冷凍凝固術や網膜光凝固術を行って、網膜に凝固を作ると周囲の細胞から糊の成分が出てきて網膜を網膜色素上皮にくっつけます。半永久的に強膜が内側にへこむように、シリコンでできたバンドのようなものを強膜に縫い付けます。その後、硝子体に気体を注入して網膜を「復位」(元の位置に戻す)する手術です。

≪硝子体白内障同時手術≫網膜を引っ張っている硝子体切除します。さらに、空気を眼内に注入し網膜の下にある液体も全て除去し網膜を正常の位置に戻します。網膜の孔は周囲をレーザーで凝固し再び網膜が剥がれないようにします。硝子体を除去することでの白内障の併発を避けるため同時に白内障の手術を行うものです。

どちらを選択するかは少し検討させて欲しいとの事で、手術の説明書とそれに対する同意書を2通分手渡されました。

その後、入院前に必要なPCR検査、血液検査、心電図測定を行いました。

コロナ感染対策の為、家族の付き添いは出来ず、手術後はしばらく同じ姿勢を保たなくてはならないので、気を遣わずに済む個室(一番安い)を希望する事にしました。差額は払わなくてはなりませんが・・・。

とりあえず、翌日の入院・手術に備えるべく帰宅しました。

手術以降については「その2」で書こうかと思います。

2022年4月

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Yataka Nobuhiro
初めまして!! Yataka Nobuhiroです。ご訪問頂きありがとうございます。 昭和生まれの60代、横浜北部で生まれ育ち、30~40代は世田谷に移り、 40代後半から現在は八王子に暮らしています。 主に、写真現像の現場に関わってきましたが、撮影のスキルはと言うと ・・・です。 昨年の定年を機会に、ストックフォトサイトへの投稿を始めました。 その中で、「撮る」ことが新しい気付きや出会いに結び付くことを 改めて知りました。 このブログでは、そんな小さな発見を発信していけたらと思っています。 簡単に言うと私のモットーは「犬も歩けば棒に当たる」です。 それが「一期一会」になることを祈って・・・。 最近は「数打ちゃ当たる」になってしまっていますが・・・。 デジタル様様です。 よくある写真ばかりですが、何かのお役に立てれば幸いです。 どうぞ宜しくお願い致します。