昼間は猛暑の続く毎日ですが、8月も後半に入ると朝晩にはコオロギの鳴き声が聞こえるようになり、川沿いの桜並木では黄色い落ち葉が目に付くようになりました。秋が夏と同時進行で始まっています。
「花火」は夏の写真の被写体の定番ですが、今年は「コロナ禍」の影響で各地の花火大会は中止。ぼんやりと夜空を見上げるなんてことも多くなりました。これから、少しづつ夜の時間が延び、秋に向かい「湿度」が下がってくれば夜空の星も目に付き易くなります。
私は「天体写真」に関しては全くの素人ですが、一日の中で最も好きな「トワイライト」な時間帯の風景を撮ることも多く、「星」の撮り方を身に着ければ撮影の幅も広がるのではないかと思い、今まで撮ったものを振り返り、少し整理してみることにしました。
PENTAX GPSユニット O-GPS1
幸い、私が常用しているPENTAX K-70 (K-30)には「アストロトレーサー※」という機能が付いていて、専用のGPSユニット(O-GPS1別売り)と組み合わせる事によって、天体の自動追尾が可能になります。昨年、私はこのユニットを購入し、何度か使用した事がありますが、まだ十分に使いこなせていませんので、この秋~冬にかけての星空シーズンにはなんとか体得したいと思っています。
※対応機種に装着すると、カメラ本体に内蔵した手ぶれ補正機構“SR(Shake Reduction)”と連動して簡易的な天体追尾撮影が行なえる“アストロトレーサー”を搭載しています。GPS情報から取得した緯度で天体の動きを算出し、内蔵している磁気センサーおよび加速度センサーから得られたカメラの状態(左右および上下の傾きと方位)によって、イメージセンサーを天体の動きに同調して移動させることで、長時間露光しても星が流れることなく、点像のままで撮影することができます。専用の赤道儀等を使用することなく、三脚だけで簡易的な天体追尾撮影が楽しめる便利な機能です。(リコーイメージング製品サイトより引用)
このGPSユニットを付けて撮影する際「精密キャリブレーション」というカメラを3軸方向に180度以上グルグル回す「儀式」のようなものがあります。これが意外と面倒で、すんなり「OK」が出ない事があります。周辺の磁気の影響を受けやすいようです。「ひたすら」バッテーリーの消費を気にしながら「グルグル」と何度かチャレンジしていると「OK」が出ます。リコーのサイトに動画が出ています。「回す」というより「振る」イメージでやった方がうまくいくような感じです。http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/o-gps1/calibration.html
これで、一応自動追尾による撮影は出来ますが、当然ながら三脚は必須アイテムです。また、モニターでの「ピント」確認の為のルーペ、手元を照らすライトもあった方が良いです。焦点距離は無限遠に合わせてテスト撮影をして、それをモニターで確認する必要があります。撮影後、PC画面で見てみるとピント良好なものは中々ありません。
アストロトレーサーを実際に使ってみる
早朝、夜明け前、浅川の河川敷で撮ったものです。オリオン座と冬の大三角形です。
夜明け直前の南の空です。小高い丘の上から撮りました。
これは、上の写真を撮る少し前、人工衛星が頭上を通過していくのを撮ったものです。人工衛星の光跡は捉えられましたが、星のピントは今一つでした。
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バルブ撮影、高感度での撮影
八王子・城山川沿いから西の空を見上げました。21時くらいの空です。オリオン座が沈んでいくところです。この時はアストロトレーサーのキャリブレーションがうまくいかず、長めの露出で撮りました。
ほぼ同じ場所で、感度を上げて、短いシャッターを切りました。一応星が「点」になっています。
ちょうどその時、夜間飛行訓練中の米軍輸送機が上空を通過したので、バルブ撮影してみました。トップのキャッチ画像も同様です。
朝方、夜明け直前の南の空です。公園の樹木の間から撮りました。
夜明け前の南の空です。里山のシルエット越しに撮りました。
夜明け前の南の空です。街灯の光が当たるハナミズキを入れてみました。
OLYMPUS TOUGH TG-6 のライブコンポジット機能を使ってみる
私が所有するOLYMPUS TOUGH TG-6には、シーンモード「夜景を撮影する」の中に「ライブコンポジット」機能が搭載されています。同社のOMD EM-10のように1コマ分の露出時間の設定は出来ませんが、その分「カメラ任せ」で気になったシーンで気軽に撮影が出来ます。三脚に固定してライブコンポジットを選択してシャッターを押して、モニターでの光跡の変化を確認して、頃合いを見てもう一度シャッターを切るだけです。取説には以下のような説明があります。
[ライブコンポジット]で撮影する
1 モードダイヤルをSCNに設定します。
2 FGHIまたはコントロールダイヤルで[夜景を撮る]を選択し、Qボタン
を押します。
3 HIまたはコントロールダイヤルで[ライブコンポジット]を選択し、Qボタ
ンを押して設定します。
4 シャッターボタンを半押しして、ピントを合わせます。
• カメラのぶれを抑えるために、しっかりした三脚でカメラを固定し、OI.Shareを使っ
たワイヤレスレリーズモードによるリモート撮影をおすすめします。(P.108)
• 合焦マークが点滅したときはピントが合っていません。
5 シャッターボタンを全押しして撮影します。
• カメラが自動で適切な設定を行い、撮影を開始します。
• シャッターボタンを押してから撮影開始までにタイムラグがあります。
• 一定時間毎に合成された画像が表示されます。
6 シャッターボタンをもう一度押して撮影を終了します。
• モニターで画像が変化する様子を確認しながら、最適な仕上がりで撮影を終了します。
• 1回で撮影できる時間は、最長3時間です。
通常のバルブ撮影はシャッターを開けて露光を開始すると、シャッターを閉じるまで画面全体が均一に明るく露光されるのに比べ、ライブコンポジットでは画面全体の基本的な明るさは一定のままで、暗い背景のなかに新たに現れた明るいもののみを重ね合わせて露光してカメラ内で合成していきます。暗い空は暗いままで、横切る星や灯りの光跡を記録することが出来ます。露出オーバーを気にしなくて済むのは嬉しい限りです。
TG-6だと細かい露出時間の設定が出来ませんので、冬の「星空シーズン」になったらEM-10をレンタルしてライブコンポジットで星景に挑戦してみようかと思っています。
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OLYMPUS OM-D E-M1 でライブコンポジット撮影
確認してみると、私の所有するOM-D E-M1のバージョンが4.6でしたので、ライブコンポジット撮影が可能になっていました。とりあえずEM-10のレンタルは止めて、E=M-1で星景写真を撮ってみました。レンズはKOWAのPROMINAR 8.5mmです。ライブコンポジットの1コマの露出時間は何秒が最適なのかまだよく分かりませんので、いろいろ試していこうかと思います。
青みを出して夜空の雰囲気を出すため、ホワイトバランスは「電球」を選択しました。長時間の露出の為、さすがにノイズが出ています。また、この日はほぼ満月に近い状態でしたので、左上は月明かりの影響が出ているようです。JPEG撮って出しで、レタッチはしていません。
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