PENTAX K-30 TAMRON 90mm 1:2.8 MACRO f/5 1/100秒 ISO800 ホワイトバランス/オート
また、虫ネタになってしまいますが・・・。
この時期5月から6月にかけて、公園や里山の木々の間を、白いものがひらひらと沢山舞っている姿を目にします。一見、モンシロチョウのようにも見えますが、飛び方が何とも弱弱しく、時々木の葉に止まっている姿を見るとモンシロチョウではないことがわかります。
これは、ドクガの仲間の「キアシドクガ」の成虫です。主に幼虫はミズキやエゴノキの葉を食し、5月ごろ一斉に羽化します。時によっては「大発生」「異常発生」として取り上げられる事も多いです。「ドクガ」と名前がついていますが、一生を通じて「毒」は持っていないとされています。それなのに「ドクガ」とはちょっとかわいそうですね。
羽化すると、口吻(こうふん)は退化して、「飲み食い」は出来なくなります。あの弱弱しい飛び方には、飲まず食わずで、ひたすら命を繋ぐ相手を探し求める「はかなさ」が隠されているような感じがします。実際、成虫になってからの寿命は数日だと言われています。
今朝、エゴノキの花を撮ろうと、都立小宮公園に出かけてみました。「大発生」ではありませんが、ひらひらと木々の間を舞っている姿が多くありました。飛んでいる姿を写真に収めようかと思いましたが、私の一昔前の中古のカメラとこの腕前ではなかなか難しいものがあります。丁度、草刈りが終わったばかりの地面を見ると一匹のメスのキアシドクガが止まっていました。これはその写真です。
おそらく、羽化したばかりでしょうか、翅には傷んだところは無く、透き通る白い翅でした。「チョウ」と「ガ」の違いにははっきりした定義は無くて、「分類学上」分けてあるのが実情なのかなと無学な私は思っています。一般的な「チョウ」の捉え方も世界ではそれぞれ違うようです。
私も子供の頃は、夏休みにはセミ、トンボ、クワガタムシやカブトムシなど採ったものですが、「ガ」はちょっと苦手でした。夜、灯りに飛んでくる「ヤママユガ」や「オオミズアオ」のような大物の「ガ」は特に苦手でしたね。子供のころから「チョウ」は美しくて「ガ」は地味でグロテスクなイメージが身についてしまっています。最近は、そのでかい「ガ」も環境の変化で身近で見かけることはほとんど無くなりました。
今朝見たキアシドクガには、はかなさの中に何か秘められた美しさのようなものを感じました。生き物にはその姿・形ではなく美しく見える瞬間があるように思えます。特に「命」に想いを馳せることの多い今日この頃、尚更その感を強くしました。
参考:フリー百科事典「ウィキペディア」、相模原市立博物館の職員ブログ、東京お気楽カメラ
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