2000年を過ぎた辺りから、写真のデジタル化が一気に加速しました。その後、銀塩写真とデジタル写真の割合は逆転。カメラメーカー、フィルム・感材メーカー、現像所は次々に銀塩写真から撤退し、業界も再編され、現在に至っています。
私が、デジタル化の波に襲われたのは、40歳あたりの頃です。それまでは当然、フィルムカメラで写真を撮っていました。デジカメが台頭し、しばらく「併用」の期間がありました。その時期を含めて、かなりの数の現像済みフィルム(白黒・カラーネガ、カラーリバーサルフィルム)が残っています。元来、ズボラな私は、現像後のフィルムの整理・保管はまとめて段ボールに入れておく程度です。それも何度かの引っ越しの際にあちらこちらに分散してしまいました。
昨年、フォトストックを始めた際、一念発起して古いフィルムのスキャン作業を試してみることにしました。デジタル・フィルム併用の頃にEPSONのフラッドベッドスキャナーを購入して、何度か使用した事があります。ブローニーフィルムもスキャン出来るタイプでしたが、パソコンのソフトを立ち上げての作業となり、数多くのスキャン作業には向かないと思いました。
そこで購入したのが、ケンコーフィルムスキャナー KFS-1490です。このスキャナーはパソコンを使わず簡単操作で、35mmフィルムをデジタルデータ化することが出来ます。そこそこの画質で大量処理には向いているかと思い、使ってみることにしました。
イメージセンサー | 1424万画素 1/2.3型CMOS |
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有効画素数 | 1400万画素(110フィルム標準) |
焦点距離 | 固定焦点 |
液晶モニター | 2.4型 TFT |
内蔵メモリー | 約64MB |
外部メモリーカード | SDメモリーカード :128MB〜2GB SDHCメモリーカード :4GB〜32GB SDXCメモリーカード :64GB |
露出補正 | 7段階 |
色調補正 | 7段階 |
スキャン解像度 | 135フィルム :3100dpi、4300dpi(補間) 110フィルム※:6400dpi、8100dpi(補間) |
画像形式 | JPEG |
スキャンサイズ | 135フィルム :12M、25M(補間) 110フィルム※:14M、22M(補間) |
対応フィルム | 135フィルム :カラーネガ、カラーリバーサル(ポジ・スライド)、白黒ネガ 110フィルム※:カラーネガ、カラーリバーサル(ポジ・スライド)、 白黒ネガ |
スキャンエリア | 135フィルム:約21.5×32.5mm 110フィルム※:約15.5×11.5mm |
光源 | バックライト(白色LED×3) |
出入力ポート | USB 2.0 TV出力(φ3.5mm) NTSC/PAL HDMI出力 |
電源 | ACアダプター、単3形アルカリ電池4本(別売品) |
寸法 | 約91(W)×118(D)×110(H) |
重量 | 約225g(付属品を含まず) |
(※現在、KFS-1490 は商品ラインナップには無いようで、後継商品が販売されているようです。中古市場では結構よい値段が付いています。販売当時の定価より高いのでは・・・。)
6コマスリーブ、スライドマウント両方試してみましたが、使い勝手はとても良いです。操作もシンプルで、画像もモニターを確認しながら作業が出来ます。画質も、ブログなどで使う分には十分かと思います。
ただ少し残念なのは、「ゴミ」が混入しやすい事です。クリーニング用のスティックが付いていますが、なかなかライトボックス上に入り込んだゴミは取れません。それに加えてフィルム画面上のゴミもありますので、スキャン後の「ごみ取り」画像処理は必至です。これが結構厄介です。スキャン作業だけなら楽々なのですが・・・。
もう一つは、フィルムのパーフォレーションと付属のフィルムガイドのマスクに「ずれ」が出る事が多く、その際はガイドを動かして微調整しなければなりません。慣れれば、問題はないのですが、時々、スキャン画像に「黒枠」が入ってしまいます。ともあれ、トータル的にはとても使いやすいスキャナーです。
実際に作業を始めてみて、愕然としてしまった事があります。保存してあったフィルムのほとんどにカビが生え、退色が進んでしまっていた事です。これは保存に気を配ってこなかった為で、当然と言えば当然です。退色がひどいフィルムは、カラーをモノクロに編集したり、セピア調に直したりしました。パソコン上で拡大してみるとかなり荒い画像ですが、取り敢えず「写真AC」に投稿してみました。案の定、その半数以上は「却下」されてしまいましたが、審査通過するものもありました。現在登録してある画像の内、数十点はスキャン画像で、そこそこダウンロードされているものもあります。サムネイル画像では分かりにくいので、私は利用して頂く方の為、タグや説明文の中に「スキャン画像」である事を明記するようにしています。(その後、shutterstockとAdobe stock に投稿してみましたが、こちらはほぼ全敗でした。品質が基準に満たないようです)
昨年、働き方改革による収入減の為、このスキャナーも結局「メルカリ」で手放してしまいました。その為、スキャン作業は中断しています。余裕が出来たら再開したいと思っています。それまで、カビがこれ以上生えない事、絵柄が退色で消え去らない事を祈っています。
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